切り株上にオオチリメンタケを見つけました(左)。傘の表面をルーペで見ると細かい毛がおおっているのが分かりました(下)。また、裏面の孔口(下左)はその名のように縮緬模様でした。
光が丘公園の観察会では毎回観察しているマテバシイの古木(上)ですが、今回もまたシイサルノコシカケは健在でした。背着型のきのこで、剥がれ落ちていたきのこの一部を切断したところ、断面はバームクーヘンのように管孔が重なっている(左)のが確認でき、このきのこが発生してから少なくとも20年は経ていることが分かりました。
林床を注意深く見ていくと、キクラゲ類のきのこが発生している落ち枝を見つけることができます。黒褐色の粒状に発生し、たがいに癒着して大きく成長するヒメキクラゲ(右)を見つけました。また、半透明の明褐色で、粒状に発生するが互いに癒着しないタマキクラゲ(下)にも出会うことができました。いずれもこの時期によく見られるキクラゲ類のきのこです。
同じような落ち枝上に黒い小さなきのこがでているのが見つかりました(右)。きのこの径は1㎝ほどで、ヒダが放射状に並んでいるのが確認できました。クロゲシジミタケで、光が丘公園では初めての出会いでした。
3月31日(日) 参加45名
「光が丘公園キノコウォッチング」
桜の花と春のキノコを楽しむ
講師 池田順子 大舘一夫 長谷川明
頭上の木の枝にエゴノキタケ(左)が棚状に発生していました。このキノコはエゴノキに特異的に棲みつくキノコで、この木も間違いなくエゴノキでした。子実層托が迷路状(下)なので裏を見ればすぐにそれとわかります。
日照り続きで、萎びたきのこの姿を予想して迎えたこの日のキノコウォッチングでしたが、受講生の皆さまの日ごろの行いがよいためか、出合ったきのこは夜来の雨を含み、どれもフレッシュな姿を見せてくれました。多くはサルノコシカケ類のキノコでしたが、この時期にしか見られないヒメキクラゲ、タマキクラゲなどのキクラゲ類やツバキキンカクチャワンタケやトガリアミガサタケなどのチャワンタケ類、エノキタケなどにも出会うことができました。観察できたキノコは37種で、なかで、光が丘公園での新確認種が9種ありました。なお、5月18日(土)のキノコセミナーでは、昨年7月に実施した光が丘公園キノコウォッチングも含め、今回観察できたキノコを画像とともに解説いたします。
今年も桜の樹下でトガリアミガサタケ(左)にで合うことができました。桜と共生する菌根菌ではありませんが、なぜかこの時期桜の樹下に多く見られます。満開の桜の花とともに観察できるのはなんとも楽しいことで、受講生の皆さんも毎年楽しみにしています。
切り株上に棚状に重生していたのはヒメモグサタケ(下)でした。このきのこもこの時期に多く発生し、半背着型で、子実層托が次第に黒くなる(下右)のが特徴です。