クロラッパタケ
Craterellus cornucopioides
アンズタケ目 アンズタケ科
子実体:ウスタケ型で小型~中型。
傘:ラッパ形で灰褐色~黒褐色で、内面にささくれ状の鱗片がある。
柄:短く、下方に細まる。
子実層托:側面にあり、浅い皺状。
アラゲキクラゲ
Auricalaria polytricha
キクラゲ目 キクラゲ科
子実体:チャワンタケ型で、耳型、皿形など。内面は名褐色で平滑~皺状。背面の色は同じだが表面を白い短毛が覆う。肉は軟骨質。
子実層托:子実体の内面で胞子を作る。
新宿御苑キノコウォッチング
2024年6月23日(日) 参加36名
2年ぶりの新宿御苑でしたが、園内の多くの施設がリニューアルされて大分様子が変わっていましたので少々心配でしたが、私たちの主に観察している母と子の森付近にはあまり変化がなく、以前からの里山の自然が保存されていました。梅雨入りしたとはいうもののお天気続きの空梅雨で、是非とも一雨欲しいと願っていた矢先、2日前からの恵みの雨に感謝しつつ望んだ新宿御苑のキノコウォッチングでした。
いつも最初に観察するのは集合場所のすぐ横の草地で、そこではヒマラヤシーダの樹下に多様なベニタケ類やスッポンタケ類のきのこが見られるのですが、今回はそれがほとんど見られません。そこで草地の奥の森に入ってみたところ、大きな倒木があり、そこにはアラゲキクラゲ、ニセコナカブリ、何種類ものサルノコシカケ類など、何種類ものきのこが発生していました。またその下にはオリーブサカズキタケも出ていました。
新宿御苑キノコウォッチング
2022年6月28日(日) 参加20名
コロナ禍で中止が続いた観察会が久しぶりにここ新宿御苑で実施されました。待ちに待っただけに皆さん大いに期待されての観察会でしたが、生憎の猛暑と快晴続きできのこの発生は悲惨な状況でした。しかしそこはキノコ入門講座の精神”無いのもキノコ”で乗り切りました。すなわち、きのこがたくさんある時には見過ごしてしまうような場所にも目が届き、さらにそんな折には見向きもしない種にも関心が向くという、無い時はない時なりの成果がえられた観察会でした。成果としては、これまで新宿御苑では観察できなかったコツブチャツムタケ、ツリバリサルノコシカケ、カノツノタケの3種に出会うことができました。
クモタケ
Nomuraea atypicola
ボタンタケ目
科未確定 ノムラエア属
切通しの法面に見つかりました。
子実体:棍棒型
頭部:表面を帯紫灰色の粉状の胞子(分生子)が覆う
柄:円柱形で白く、地中のトタテグモの巣に連なる
ドクベニタケ
Russula emetica
ベニタケ目 ベニタケ科
ヒマラヤスギの樹下に見られました。
子実体:ベニタケ型
傘:平らに開き、赤色で表皮が中央まで剥がれる
ヒダ:幅狭くやや疎で白
柄:中心生で髄状、白く赤みがない
肉:白く軟質で辛い
ミミナミハタケ
Lentinellus cochleatus
ベニタケ目
マツカサタケ科
母と子の森で、切り株上に重生しているのを見つけました。
子実体:ヒラタケ型
傘:淡濃褐色で平滑
ヒダ:幅狭く密で淡褐色
柄:偏心生で中実~中空
カノツノタケ
Xylaria hypoxylon
クロサイワイタケ目
クロサイワイタケ科
マメザヤタケ属
観察会の最後に出合った小さなきのこで、古い切り株に出ていました。
子実体:角型で木質、先端は白く下方は黒い。
街のキノコ散歩
新宿御苑のキノコ
ここ新宿御苑は、フランス式整形庭園・イギリス風景式庭園・日本庭園などを擁し、見所の多さから外国観光客も多く訪れる多様な魅力を持つ公園です。各種人工的な庭園に加え、母と子の森やマテバシイの森など、自然が保存されている地域も多くあります。
遠くドコモタワーを望む芝生広場(左)
新宿御苑でこれまでに観察できたキノコは、このページTOPからご覧になれます。
ツノツマミタケ
Lysurus mokusin f. sinensis
スッポンタケ目 スッポンタケ科
子実体:カゴタケ型で小型、幼時白い卵形で、殻皮が裂開して托と托枝が伸長する。。
托枝:伸長する頭部で、角錐型、赤く、表面を粘液状のグレバが覆う。
托:角柱形で、淡赤色、肉は脆く泡状。
ヘビキノコモドキ
Amanita spissacea
アンズタケ目 テングタケ科
子実体:ウラベニガサ型で中型~大型。
傘:丸山形~平ら、条線なく、黄褐色で表面をかさぶた状の破片が覆う。
柄:下方に太まり、傘と同様の破片が覆う。
子実層托:幅広く密で、離生。。
スジオチバタケ
Marasmius purpureostriatus
ハラタケ目 ホウライタケ科
子実体:クヌギタケ型で小型。
傘:円錐形で淡褐色、溝線が深く紫色を帯びる。
柄:細長く中実、濃褐色。
子実層托:疎で上生し、淡黄色。
アンズタケ
森から出て母と子の森へ向かいました。森の入り口で出合ったのはスジオチバタケでした。少々萎えてしまったクロラッパタケ、名前も姿も不気味なヘビキノコモドキ、今年は不作なのかたった1本が草の間から頭を出しているムラサキシメジなども観察できました。キノコウォッチングのフィナーレを飾ったのはツノツマミタケの群生でした。しかもこのきのこの角は大型で、ツノツマミタケにはこれまでも複数の公園で出合ったいますが、これほどのもに出合ったのは初めてでした。
オリーブサカズキタケ
Gerronema nemorale
ハラタケ目 Porotheleaceae科
子実体:カヤタケ型で、小型、
貝殻形など。
傘:漏斗形で淡灰黄色、表面繊維状。
柄:細長く中空、傘と同色。
子実層托:疎で長く垂生し、淡黄色。
コツブチャツムタケ
Nomuraea atypicola
ハラタケ目 ヒメノガステル科
チャツムタケ属
ヒマラヤスギの広場には本種が一面に発生していました。大発生はこの一種のみでした。
子実体:キシメジ型
傘:丸山形で明色 微毛がある
ヒダ:密で黄色 傷つくと褐変
クロラッパタケ
Craterellus cornucopioides
アンズタケ目アンズタケ科
マテバシイの林の地上に群生していました。
子実体:ウスタケ型
傘:筒形から口の縁が広がりラッパ形になる
子実層托:側面にあり、浅い皺状
アカハテングタケ(白色系)
Amanita longistriata
ハラタケ目 マテングタケ科
母と子の森のクヌギ林に出ていました。アカハテングタケは通常淡灰褐色(下)ですが、これは形状がまったく同じで全身が白という珍しいきのこです。
釣り針状の剛毛体
ムラサキヤマドリタケ
Boletus violaceofuscus
イグチ目 イグチ科
マテバシイの林で、一段と立派な姿を誇るムラサキヤマドリタケに出会いました。
子実体:イグチ型
傘:紫と黄色の斑模様
管孔:孔口は幼時白い菌糸で覆われる
柄:紫色の地を白い網目が覆う
子実体:ウラベニガサ型
傘:丸山形で周辺に条線がある
ヒダ:幅広くやや密で、ピンク色だが胞子紋は白い
柄:中心生で細長く中空で、上部に膜質のツバ、基部に鞘状のツボがある
ニセコナカブリ
Crepidotus subsphaerosporus
ハラタケ目 チャヒラタケ科
子実体:ヒラタケ型で、半円形、
貝殻形など。
傘:白く、表面フェルト状。
柄:無し。
子実層托:疎で垂生し、淡褐色。
園内には、東京の自然植生である常緑広葉樹が多くあり、それらの林には、テングタケ科・イグチ科・ベニタケ科など、多様な夏きのこが発生します。また、一部に落葉広葉樹の林もあり、そこには秋のきのこも発生します。そんな新宿御苑で見られるキノコを紹介します。
フランス式庭園のプラタナス並木(右)
ツリバリサルノコシカケ
Phellinus wahlbergii
タバコウロコタケ目
タバコウロコタケ科
キコブタケ属
スダジイの古木に発生していました。種名のツリバリは剛毛体の先端がが釣り針状に先が曲がっていることによるものです。
子実体傘:側着型で重生する
傘:馬蹄形で暗褐色だが表面を藻類がおおうので緑色になる
下面:孔口は極めて小さく褐色
カイメンタケ
Phaeolus schweinitzii
タマチョレイタケ目
ツガサルノコシカケ科
ヒマラヤスギの地中の根から発生していました。
子実体:側着生だが、地上に発生したため円盤形
傘:扁平で褐色、表面はフェルト状
管孔:孔口不定形で、帯緑褐色